サンクトペテルブルク国立技術経済大学チェボクサリ分校グループ招聘
2009年9月に日本の学生グループがロシア連邦チュバシ共和国の首都チェボクサリを訪問したのを受け、チェボクサリのサンクトペテルブルク国立技術経済大学チェボクサリ分校の分校長を団長とする学生グループ12名が来日しました。
日本語学校の訪問に始まり、一橋大学でのゼミ交流を中心とした学生の地域活動の視察、東芝府中工場視察、豊橋の精密農業視察、都内散策、ホームステイにいたるまで、チェボクサリを訪問したメンバーがそれぞれの専門分野を生かしてプログラムに関わり、公募によるプログラムの提案者と学生が中心になった全員参加の企画が実現しました。
滞在プログラムのメインイベントの一つ、一橋大学との交流が行われました。
国立の緑豊かな環境に恵まれたキャンパスで、昭和初期に立てられた兼松講堂(国の有形文化財)や本館、図書館を視察しました。図書館入口のコミュニティースペース「えん」にはチュバシ展示コーナーが設けられ、チェボクサリの参加者を喜ばせました。
キャンパスツアーのあと、林教授の「まちづくり」の授業を見学し、実際に学生が街づくり事業として参加している富士見台団地の商店街などを見に行きました。産官学民(商店会、国立市、大学、市民)の連携によるNPO法人によって活力あるまちづくりが試みられ、住民の高齢化とともに空き店舗が目立つようになった商店街の一角にカフェや地産地消店舗、多目的ホールが運営されていました。
学食での昼食のあと、関教授のゼミ学生との交流プログラムが行われました。ロシア側のプレゼンテーションでは、チェボクサリの街について、大学について、ロシアの冬について、ロシア料理についての紹介が行われ、日本側のプレゼンテーションでは、「ジェンダーと教育」というテーマで3つの報告がありました。双方とも英語による発表でしたが大変良く準備されていました。休憩時間には、参加者がチェボクサリから運んできたお菓子がふるまわれました。
そのあと、4グループに分かれてのディスカッションでは、留学生ファシリテータによる日露通訳のサポートもあり、活発に意見交換することができました。
一橋大学佐野書院で行われた歓迎レセプションは山内副学長(当時)も出席され、ロシア料理のメニューも取り入れるなど工夫を凝らした手作りのおもてなしでした。また日本の琴・尺八の演奏がロシアの学生を喜ばせました。音楽のおかげで場がなごみ、学生の歌も飛び出すよい雰囲気になりました。
朝から愛知県豊橋に移動、豊橋サイエンスコアで日本の精密農業について勉強しました。会場には豊橋市副市長、豊橋商工会議所会頭、副会頭、豊橋技術科学大学学長も顔を出されました。
レクチャーに先立って、お茶栽培農家のお茶の説明、お茶の煎じ方のデモンストレーション、お弁当の食材と料理の説明、油揚げ製造店の若女将の話、農家主人による日本料理の奥義についての話があり、盛りだくさんの内容で地元のパワーを感じました。
昼食後、日本の精密農業についてガイダンスを受けました。衛星を使って土壌調査し、成分を分析した上で施肥し土地を耕作するなど、まさに精密な農業が導入されていることがわかりました。
実際に小松菜栽培で成功した農家を訪問し、地域農業の現状とこれからの農業発展のために取り組もうとしている精密農業の導入について理解を深めました。ハウスの小松菜栽培はとても効率よく行われていて、ご馳走になった小松菜ジュースの予想外の美味しさにも驚きました。とても体によさそうです。
地元の農産物を販売している食品館で買物をした後、京都に移動しました。
京都の朝は早起きして、宿泊旅館のすぐ近くの三十三間堂へ。10列の階段状の壇上に並ぶ等身大の1000体の観音像は圧巻でした。京都で最も印象深かった場所のひとつです。他にもたくさん神社仏閣を回り、茶の湯の体験もしました。旅館では日本料理、和室、大浴場、浴衣など日本文化にたっぷり浸りました。
6月6日(日)ホームステイ先からそれぞれ満員電車に揺られて国立劇場に集合、歌舞伎十八番のひとつ「鳴神」を鑑賞しました。初めて観る歌舞伎への反応はさまざまで、少し奇異に感じた人もいたようです。
チェボクサリには海がないので、海が見たいという希望が強く、歌舞伎のあとお台場へ行きました。中には、海水パンツを隠し持ってきて、海浜公園の海で泳いだ確信犯もいました。もちろん遊泳禁止です。
空港まで見送りに来てくれた日本の学生と涙のお別れになりました。「また会えるなんて本当に信じられない!」といって再会した日から1週間、今度はまたすぐ会える気がします。
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