日露交流史学習グループ
1811年、千島列島を調査中のロシア船ディアナ号の艦長ゴロヴニン他7名が江戸幕府の警備隊に捕われるという事件が起きました。その2年後の1813年はこの「ゴロヴニン事件」が平和裡に解決した記念すべき年ですが、その背景にはディアナ号の副艦長リコルド氏と高田屋嘉兵衛の厚い信頼関係がありました。
200年の時を経て、リコルドの子孫7代目マリア・チホツカヤさんは今年二十歳を迎えました。高田屋嘉兵衛の生誕の地であり、今もその意思を受け継ぐ人々が住む淡路島の洲本市の提案により、ゴロヴニン事件解決200周年を記念し、マリアさんをはじめとするロシアの青年5名の来日が実現しました。
ロシア青年メンバーは、名門サンクトペテルブルク国立大学で国際関係を学習する学生4名と洲本市の姉妹都市であるクロンシュタット地区行政府の若手職員。参加者は全員英語も流暢な精鋭たち。学生達は、事前の勉強やプレゼンをしっかり準備して来日し、日本ではいつも笑顔でした。リコルド氏の子孫であるマリア・チホツカヤさんは、行く先々で発言を求められるのに対し、恥ずかしそうに頬を赤らめながら、思いを込めて丁寧に答え、その誠実さと直向さは、もしかすると遠い先祖から代々受け継がれてきたものかも知れない、などと思うほどでした。
「将来は外交官になりたい。」と夢を語っていたマリアさん達は今大学3年生。今後ヨーロッパでの留学も控えて、毎日勉強に明け暮れています。いつか、彼女たちが日本とロシアの新しい関係を築く日が来ることを信じています。
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