地方議会議員交流グループ
ロシア沿海地方のウラジオストクから地方議会の若手議員8名が来日しました。かねてから交流のある島根県と鳥取県の各地を初めて訪問し、県知事や県議会議員の方々と意見を交わしました。それぞれの政策の相違点や共通する問題点を見出すことができ、今後の交流につながる意義あるプログラムとなりました。
2010年に交流協定を締結したロシア海洋国立大学から8名の学生が、この大学の日本語・ 日本文化体験プログラムに参加していました。
5年前に青年交流事業でウラジオストクに行ったことがきっかけで、この大学でロシア語を勉強しているという学生もいました。
島根県唯一の国際貿易港である浜田港を視察、ロシアと関係の深い日本企業を訪問し、対ロ貿易の現状について意見を交換しました。
ウラジオストク水族館から来た白イルカが人気で、ペンギンのパレードにも人が集まっていました。白イルカのバブルリングのパフォーマンスに皆惹きつけられました。
日露戦争中、島根県江津市沖で投降して和木町の住民に救助されたロシア・バルチック艦隊輸送艦「イルティッシュ号」の乗組員(ニ百数十人)の慰霊碑(和木海岸)を参拝、献花をしました。
和木公民館では婦人会有志による「傘おどり」や紙芝居で歓迎されました。公民館に丁寧に保存されたイルティッシュ号の遺品にみな感じ入っていました。100年以上前の出来事が今に至るまで語り継がれて毎年ロシア祭が開かれ、慰霊碑もきれいに手入れされていることに感銘を受けました。
有福温泉の神楽殿で夜神楽を鑑賞し、日本の伝統文化に触れることができました。
島根県の県花でもある牡丹の花咲く庭園として有名。年間来場者約30万人。雪景色とあいまって、藁囲いされて健気に咲く寒牡丹が可憐でした。
貿易高を上げるための課題として、知事からは金属加工品、食品、乳製品など輸出品目を増やす工夫が必要であり、石炭の輸入も将来性があるというお話しがありました。ロシア側からは、海外投資家にとっての環境は整っているので、医療、農業分野で高度技術を有する企業を歓迎したいという発言もありました。
県議会議員の方々との間では、人口の流出、少子化問題、高齢化の問題などについて意見交換が行われ、立法機関と行政機関の関係や観光誘致にも関心が寄せられました。
伯耆しあわせの郷で倉吉絣(くらよしかすり)の織物体験や染め物体験をしました。染料の青(藍)・赤(茜)、黄(キハダ)の染料のうち、キハダはウラジオで購入した樹皮から作ったとのこと。美しい色合いのハンカチに染め上がりました。
知事からは、進展がみられる日露の関係の中で鳥取県と沿海地方の関係を深めていきたいという挨拶があり、ロシア側団長からも、今回参加した若手議員たちが今後も沿海地方と鳥取県の地域レベルの協力関係に貢献できるよう、両国の首脳が友好関係を強化してくれることを願う旨の挨拶がありました。農業分野や医療分野の関係強化、ロシアへのビジネス投資への期待など意見が交わされました。
議員活動で多忙なため、海外出張の機会はほとんどないという皆さんでしたが、今回の交流プログラムの成果を地元で活かすべく、積極的に取り組んでいる姿がとても印象的でした。
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