-訪日プログラム-
-Programs of Visiting Japan-

ロボット技術分野ロシア人学生グループ

本プログラムは、昨2009年度「ロボット技術分野日本人学生派遣プログラム」でロシアを訪問した豊橋技術科学大学鈴木新一教授と工学部学生諸氏の協力を得て実施されました。
ロシアからは昨年度受入れ機関であった「ロボット技術:ロシア・イノヴェーションのための技術者」プログラムのコルニロフ代表を団長、ロシア・ロボット・フェスティバル上位入賞チームの学生たちをメンバーとする訪日グループが東京、豊橋を訪問、豊橋技術科学大学では昨年実施できなかった日露学生混成チームによるロボット競技が実現しました。

11月16日、JR三河安城駅で。
豊橋技術科学大学の皆さんの歓迎を受けました。


滞在日程
    11月14日(日) 成田着
    11月15日(月) 外務省訪問、東京大学訪問(ものつくり実験工房、IRT研究機構)
    11月16日(火) トヨタ本社工場見学、豊橋へ。
    11月17日(水) 豊橋技術科学大学プログラム(講演、ロボットセンター見学、ロボット製作)
    11月18日(木) 豊橋技術科学大学プログラム(伊古部浜散策、ロボット製作、ロボット・コンテスト)
    11月19日(金) 理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センター、産業技術記念館見学、東京へ
    11月20日(土) 東京視察(浅草、秋葉原)
    11月21日(日) 成田発

滞在レポート(敬称略)


11月15日(月)

外務省表敬

ニコライ堂では、思いもかけず府主教に
お話をうかがうことができました。

東京大学ものつくり実験工房訪問

東京大学では学生諸氏の案内でものつくり実験工房を見学。その後IRT(Information and Robot Technology)研究機構で各はいくつもの研究室を回り、開発中のプロジェクトを知見することができました。いずれの研究室でもロシア側からは矢継ぎ早の質問が出て、関心の高さがうかがえました。
11月16日(火)

JR新幹線の三河安城駅で豊橋技術科学大学の皆さんの大歓迎を受け、一緒にトヨタ本社工場へ向かいました。
トヨタ本社の元町工場(溶接・組立て工場)を見学、ボディの生産ラインで溶接ロボットが一斉に動く様子は圧巻でした。自動化の高さに感心していました。
夜は豊橋技科大学長をはじめとする関係の教職員・学生諸氏が参加して歓迎レセプションが開かれました。その場で、日露双方の学生参加者たちの自己紹介があり、さっそく交流を始めていました。

トヨタ本社工場にて

豊橋技術科学大学にて

11月17日(水)

17、18日は今回の訪日プログラムのメインとなる豊橋技術科学大学内でのプログラムです。

午前はロシア側コルニロフ団長から第2回全ロシア・ロボット技術フェスティバルについて講演がありました。今回の参加者はその上位入賞チームです。続いて日本側から豊橋技科大三浦教授の「パーソナルサービスロボットのための環境認識」に関する講義があり、学生たちから質問が相次ぎました。その後、同大学内の人間・ロボット共生リサーチセンターを寺嶋センター長の案内で見学しました。ロボットハウス、リハビリ・介護ロボット等、人間と直接触合うロボットの開発に興味津々でした。

午後はいよいよ今回のプログラムのハイライトのロボット競技の開始です。日露混合3人一組のチームに分かれ、各チーム力を合わせてロボットを製作します。

上野祐樹:豊橋技科大
どのようなロボットを作製するかと話し合ったときに、まずは安定性を重視して、それを満足できればスピードアップを目指そうという意見で皆一致したことに「ロボットは共通語」という言葉を理解できた。3人で素晴らしいロボットを完成させられたことに今までにない喜びや満足感を覚えた。


試作ロボットをフィールドでテストラン。設計やプログラミングに修正を加えて、またテストラン・・・。試行錯誤を繰り返すうち、終了予定時間を大幅に過ぎました。続きは明日。


新居達也:豊橋技科大
ロボットの改造が上手くいく時もあればそうでないときもあり、一つ一つ課題をクリアしては一緒に喜んだ。チームでの物づくりの面白さは、日露混合チームでも変わらなかった。また、自分たちが準備したルールや競技フィールドで、各チームが時間を忘れるほど真剣に取り組んでくれたのが嬉しかった。


11月18日(木)

太平洋の傍にいて、それを見ないのは犯罪であるとまで感じているロシア人参加者のため、豊橋技科大学学生の計らいにより朝一番で伊古部浜(遠州灘沿いに浜名湖から渥美半島の伊良湖岬まで続く表浜の一部)散策が実現しました。

大学では各チーム、昨日のロボット製作の続きです。最後の最後までテストランと試行錯誤が繰り返されます。取材も入りました。

いよいよ本番。競技時間は2分間。ロボットはチェックエリアを通って、ミッションに挑戦。ターゲットAは落下させ、ターゲットB、Cは落下させるか抱えてゴールへ。ゴールまでの時間と遂行したミッションの得点で勝負を判定します。

鈴木教授から上位チームに賞状等が授与されました。

本番後も施行錯誤を繰り返すグループもいて、終了時間はやはり予定を超えました。豊橋最後の夜は、日露の学生同士、場所を変えて交流が続きました。

11月19日(金)

豊橋技科大の皆さんとともに理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センターを訪問し、移乗作業支援ロボットRIBAの開発者から直接説明を聞きました。デモンストレーションを見たり、たくさんの質問に答えてもらうことができました。

名古屋城見学。2010年は名古屋開府400年で、折しも秋の菊人形展が開かれ、名古屋おもてなし武将隊との会話や写真撮影も楽しみました。その後、徳川園の日本庭園と鯉を鑑賞しました。

トヨタテクノミュージアム産業技術記念館を見学しました。豊田紡織工場跡に自動織機から自動車生産までの技術や機械が展示されており、技術者には見飽きることがないものばかりのようでした。

名古屋駅で豊橋技科大の皆さんと別れ、新幹線で東京へ。

11月20日(土)

帰国前日、浅草、秋葉原へ行きました。東京在住の日本人参加学生の方たちに秋葉原ではロボットの電子パーツ専門店等に案内してもらいました。今のモスクワでもこのようにパーツがそろうお店はあまりないようです。

11月21日(日)

成田空港からモスクワへ、モスクワからロシア各地へ帰国しました。

参加者の声

アレクセイ・ヴァレジュニコフ:サラトフ国立技術大学

今回のプログラムにはただただ感嘆するばかりです。とても面白いプログラムと日本人学生たちとの形式ばらない自由な交流がありました。自由に散策できる時間があったこともとても嬉しかったです。素晴らしい時間をありがとうございました。日本が大好きになりました。
古溝徳司:豊橋技術科学大学

念願であった日露の学生が協力してのロボット製作および競技会を実施することができて大変満足しています。言葉や文化の違いという大きな壁を乗り越えてひとつの目的を成し遂げることは難しいと想像していましたが、すべてのチームがその大きな壁を乗り越えることができました。短い時間ではありましたが、この経験は近い将来世界を舞台に活躍する技術者になるための糧になると信じています。一方で自分の苦手とする分野の弱さを改めて認識することができました。その部分を伸ばしていくことも今後の課題のひとつとして取り組んでいきたいと考えています。
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