サンクトペテルブルク市スポーツ教育・青年政策グループ
エリョーギナ・サンクトペテルブルク青少年スポーツクラブ「ヤワラ-M」代表を団長とするサンクトペテルブルク市のスポーツ教育・青年政策関係者6名が来日しました。
エリョーギナさんは、柔道家でロシア国内において武道や体育による青少年教育を推奨しているシェスタコフ国家院議員の補佐官も務めています。団員はサンクトペテルブルクのスポーツ委員会、青年政策・社会組織共同委員会、サンクトペテルブルク国立大学学生労働組合の代表者です。
今回の訪問目的は、体育教育等の青年政策及びスポーツ教育に関する視察と意見交換を行うことでした。
一行は滞在中に文部科学省スポーツ・青少年局、講道館、東京体育館、東京都文京区第一中学校、東京都生活文化スポーツ局を視察しました。またロサンゼルス・オリンピック金メダリストの山下泰裕東海大学体育学部教授が理事長を務めるNPO法人「柔道教育ソリダリティー」の協力によって東海大学を訪問し、2度にわたるエリョーギナ補佐官の講演会が実現しました。
午前中に成田空港に到着した一行は、すぐに外務省へ。
山村ロシア交流室長から日露関係についてのブリーフィングを受けました。
続いて、文部科学省スポーツ・青少年局企画・体育課で、日本の中等教育システムついてのブリーフィングを受けました。
体育教育の長い停滞期を経て、近年その重要性が見直され始めているロシアの参加者からは、学校における部活動の位置づけ、活動・運営状況、大学教育支援等について質問が出されました。
午前中から柔道の総本山、講道館を訪問しました。はじめに柔道資料館を見学し、そのあとで春季・秋季の年に2回だけ実施される紅白試合を観戦しました。
第4日目 10月20日(月)この日は東京体育館を訪問しました。当該体育館は現在、都民の多様なスポーツ活動支援のためのサービス向上と経費節減のため、民間事業者とのコンソーシアムという形態で運営されています。ロシアでは、体育・スポーツに関する連邦特別プログラムにより、国によるスポーツ発展支援が行われていますが、財政的な問題は解決されておらず、官民共同の「事業団グループ」という新運営形態に強い関心の色を見せた関係者たちからは、運営や施設設備の細かい点まで数多くの質問が出されました。
午後からの最初の訪問先は文京区第一中学校でした。学校の概要説明のあと、引き続き2年生男子の柔道の授業を参観しました。今日は東海大学を訪問し、田中副学長と体育学部の山下教授に表敬訪問しました。そのあと、文武両道を実践している体育学科の授業参観のために、構内にある武道館へ移動しました。武道学科の先生方による柔道の型の実技、理論の授業を参観しました。柔道の専門家でもあるエリョーギナ氏も説明に加わり、関係者全員興味深く見学しました。同じく武道館で行われていた剣道の授業も参観しました。
この日エリョーギナ氏の第1回目の講演「ロシアにおける体育・スポーツの発展」がありました。ロシア・スポーツ通史が簡潔にまとめられた内容に関心を持つ学生や大学院生など、たくさんの聴講者が集まりました。
第6日目 10月22日(水)この日は朝から東海大学の体育学部を訪問。まず、学生柔道の発展に心血を注いだ初代松前総長の柔道活動についての説明がありました。
続いて学生に対する大学、日本の省庁、自治体の就職支援、日本の就職システムについての説明がありました。ソ連崩壊後職業や生活が多様化しているロシアでも学生の就職は焦眉の問題です。同席した大学院生からは生の声を聞くことができました。
午後からは富士箱根方面視察へと向かい、芦ノ湖・箱根の秋景色と温泉を楽しみました。
今回のメンバーは、体育教育による心身ともに健全な青少年の育成政策に、自治体・行政レベルで取り組んでいる関係者でした。学校教育機関での安定した体育教育に古い伝統を持つ日本には学ぶべきところが多く、短い滞在日程の中で、多岐にわたった視察が実現しました。ご協力いただいた関係者の皆様に改めてお礼を申し上げます。
このような交流が続き、その経験を青少年教育に役立てることが、これからの健全な両国関係の確立に寄与する人材育成につながるのではないかと期待してやみません。
関連タグ
オススメ記事
All right reserved, Copyright(C)
Japan Russia youth Exchange Center 2000-.