交流会実施にあたって
アストラハンでは、学生たちが熱心に日本語を勉強しています。まじめで内気な学生たちですが、日本人と話してみたいという強い気持ちを持っています。
しかし、アストラハンでは派遣教師以外の日本人と交流できる機会は極めて限られています。加えて、これまでは協定先である日本の大学との交換留学プログラムがありましたが、昨年(2020年)度は新型コロナウイルスの影響で留学が難しい状況でした。そのため、日露の学生交流の機会はさらに減ってしまいました。
このような状況下で、派遣教師である私も日本からオンラインで業務をしていたため、現地でのイベント開催は難しい状況でした。そこで、逆にオンラインという状況を生かし、日本人の学生とリアルタイムで話すことができるオンライン交流会を計画するに至りました。交流会を立案したところ、協定先である神奈川・関西両大学の先生方にご協力いただき、日本でロシア語を学ぶ学生さんたちとの初めてのオンライン交流会を2021年3月に実施することができました。
ここでは、その時の模様を紹介します。
交流の概要
この交流会には神奈川大学から9名、関西大学から7名、アストラハン国立大学から16名、計32名の学生が参加しました。大変有り難いことに、予想以上の人数の学生さんにご参加いただきました。交流会全体の流れは以下の通りです。
アイスブレイク(10分)
1回目の交流(20分)
2回目の交流(20分)※1回目と異なるグループでの交流
総括・写真撮影(10分)
交流の様子
交流のトピックは「自己紹介」でした。数人のグループに分かれ、自己紹介をして知り合いをつくるのが目的でした。学生は趣味や自分の好きな音楽などについて話していました。
1回目の交流は日本語時間、2回目は日本語またはロシア語時間とし、日本のロシア語学習者である学生もロシア語を使用できる時間を作りました。なお、事前の参加申し込みフォームでロシア語の学習進度を回答いただき、グループ作成の際にはなるべく進度が近い学習者を含むグループを作りました。
初めは緊張している様子の学生もいましたが、やがて打ち解けて笑顔になっていく学生の姿が印象的でした。日本人の学生と日本語で話したというアストラハンの学生も多く、大変嬉しかったようです。また日本の学生さんも次回も参加したい、ロシア語は難しかったけどこれからも頑張りたいと言ってくださいました。
参加者の声
現地の学生とオンラインで交流することができてとても楽しかったです。あまりロシア語で話すことはできませんでしたが、自分のロシア語の運用能力を高めようというモチベーションにもなりました。またこの様な機会がもっと増えることを期待しています。
(神奈川大学 2年 小林芽生さん)
Встречи были интересными. Познакомился с несколькими японцами, было приятно узнать об их культуре, пообщаться на разные темы. Надеюсь, что такие встречи вновь будут возобновлены (Анишин Даниил).
和訳:交流会は面白かったです。何人かの日本人と知り合って、日本文化について知ったり、いろいろなテーマで話したりしたのは楽しかったです。またこのような交流会があるといいと思います。
(アストラハン国立大学 4年 アニシン・ダニイルさん)
総括
たくさんの方のご協力があり、2020年度はコロナ禍を乗り越えて計3回交流会を実施することができました。ご協力をいただきました神奈川大学の堤正典先生、小林潔先生、関西大学の近藤昌夫先生、小田桐奈美先生、参加していただいた学生の皆さん、すべての方にお礼を申し上げます。2021年度は渡航ができる予定のため、現地からもこのような交流をぜひ実施したいと考えています。