日本青年会議所学生ミッション・ロシア人学生代表団
JC(日本青年会議所)ロシア友好の会は長年にわたりロシア学生ミッションを実施してきましたが、今年も派遣・招聘プログラムを日露青年交流センターと共催することになりました。本プログラムではモスクワ国立大学とサンクトペテルブルク国立大学の学生と教師で構成された14名のグループを招聘しました。
午前中に行われた第2回勉強会では、北方領土元島民の方の貴重な体験談を聞きました。
午後からはロシア大使館と外務省に表敬訪問しました。
新幹線で京都へ移動し、寺社仏閣を見学しました。
裏千家で茶道体験に臨みました。
その後、福寿園宇治工房で抹茶作りを体験しました。
この日の宿泊は宇治緑樹院での宿坊体験となりました。夕食の後に座禅を組み、就寝。普段の生活とはかけ離れた世界に戸惑いながらも、旅の疲れも手伝って熟睡しました。
8月23日各ホームステイ先から東京へ集合し、パナソニックセンターで最先端技術を見学。
夜にはレセプションが開かれました。各参加者が出席者の前で感想を述べましたが、流暢な日本語、たどたどしい日本語と、若干の差はありながら一所懸命に感謝の気持ちを表現した姿が印象的でした。この日が日本滞在最終日。すっかり親しくなった日本人学生と別れを惜しむ場面が見られました。10日目の朝、空港に見送りました。
今回のプログラムでは興味深かったもの、感動したことなどが語りつくせないほどあります。今まではロシア語を学びながらも、ロシアは遠い存在でした。しかし今回10日間を彼らと共に過ごしたことで、ロシア人がより身近に感じられるようになりました。ロシア語の学習意欲も上がりました。そして、今回のプログラムを通して、日本についてもっと知りたいという思いを強くしました。禅体験を始め、日本文化には現代にも通用する洗練されたものがたくさんあると感じました。ロシア人という鏡を通して初めて日本の姿がより鮮明に見えてきた気がしました。そのような意味で、このプログラムはロシア人だけでなく日本人にとっても意味のあるものだと思います。今回の経験を生かして、さらにロシア語学習に努め、ロシア人との交流を続けていきたいと思います。
「今回ロシアミッションを通じて私が学んだ事は人的交流、とりわけ若者同士の交流こそがその後の国家の関係性を良いものに導くものだということです。隣国同士の関係というのは経済的、政治的利益のために衝突しやすく、加えて国民の間に国家のナショナリズムというものを吹き込めば問題はより複雑な様相を帯びていくことでしょう。国家の関係性は基本的に衝突であると私は考えています。しかし、両国の人的交流はこうした国家の間に入るクッションとなり、関係性を良好なものにすると思います。せっかく築いたこうしたネットワークを壊したくないとする両国の思いが持続的な両国の発展につながるのだとおもいます。そういった意味でこのホームステイプログラムは今後につづく人的交流という点から大変有益であると感じました。
今回、ともに両国のことを、国民の目線から話し合うことで、それまで知らなかったロシア人が感じるロシア問題や、対日意識を知ることができました。たとえばロシアの西側の人々は北方領土問題に対してかたくなにロシア領と主張しているわけではなく、関心の度合いも低いという話を聞きました。日本に対する意識は、豊かで、立派な歴史を誇っているが、アメリカの軍事力に自国の安全を頼っていることは、国のあり方として信じられないという話もききました。また私の祖父の家にも連れて行きました。祖父は自分の弟がシベリアで抑留され亡くなったことを伝え、当時のソ連に対する思いを打ち明けました。ロシア人学生の反応は厳しいものでしたが、祖父とフランクに接してもらい、祖父も最後は固い握手で別れを告げました。きっと祖父の中では何らかの変化が生じていることを私は確信しています。
こうした対話を通じて私たちのパイプは太くなったと思いますし、今後もますます対話を続けていき、互いの理解を深めていきたいと感じました。また相手も自分と同じことを感じてくれていると確信しています。ホームステイはそういう濃密な時間を過ごせたのでとても有益でした。」
関連タグ
オススメ記事
All right reserved, Copyright(C)
Japan Russia youth Exchange Center 2000-.