-訪日プログラム-
-Programs of Visiting Japan-

地方議会議員交流グループ

ロシア沿海地方のウラジオストクから地方議会の若手議員8名が来日しました。かねてから交流のある島根県と鳥取県の各地を初めて訪問し、県知事や県議会議員の方々と意見を交わしました。それぞれの政策の相違点や共通する問題点を見出すことができ、今後の交流につながる意義あるプログラムとなりました。

日程

    2月1日(土) 成田着(東京泊)
    2月2日(日) 午前:都内視察(東京タワー、浅草、お台場) 午後:島根県へ移動(羽田空港→出雲空港→浜田市) (浜田市泊)
    2月3日(月) 島根県内プログラム:島根県立大学、浜田港、浜田市長・地元関係者との懇談、しまね海洋館アクアス、
           イルティッシュ号慰霊碑、夜神楽鑑賞など(江津市有福温泉泊)
    2月4日(火) 島根県内プログラム:出雲大社、知事表敬、県議会副議長表敬、県会議長・県会議員との意見交換、
           松江歴史館(茶道体験)など(松江市泊)
    2月5日(水) 島根県内プログラム:由志園(牡丹庭園)
           鳥取県内プログラム:境港国際旅客ターミナル、夢みなとタワー、鳥取大学医学部附属病院、とっとり自然環境館、
           法勝寺皆生窯(陶芸体験)、副知事・地元関係者との懇談など (米子市皆生温泉泊)
    2月6日(木) 鳥取県内プログラム:倉吉絣織物体験、鳥取砂丘、鳥取環境大学、知事表敬、
           県議会議長・県議会議員との意見交換(鳥取市泊)
    2月7日(金) 午前:東京へ移動(鳥取空港→羽田空港)、都内視察(皇居)
           午後:ロシア交流室長・センター事務局長との懇談など(東京泊)
    2月8日(土) 成田空港より帰国

    島根県立大学訪問

    2010年に交流協定を締結したロシア海洋国立大学から8名の学生が、この大学の日本語・ 日本文化体験プログラムに参加していました。
    5年前に青年交流事業でウラジオストクに行ったことがきっかけで、この大学でロシア語を勉強しているという学生もいました。

    浜田港視察

    島根県唯一の国際貿易港である浜田港を視察、ロシアと関係の深い日本企業を訪問し、対ロ貿易の現状について意見を交換しました。

    しまね海洋館アクアス

    ウラジオストク水族館から来た白イルカが人気で、ペンギンのパレードにも人が集まっていました。白イルカのバブルリングのパフォーマンスに皆惹きつけられました。

    イルティッシュ号慰霊碑参拝

    日露戦争中、島根県江津市沖で投降して和木町の住民に救助されたロシア・バルチック艦隊輸送艦「イルティッシュ号」の乗組員(ニ百数十人)の慰霊碑(和木海岸)を参拝、献花をしました。
    和木公民館では婦人会有志による「傘おどり」や紙芝居で歓迎されました。公民館に丁寧に保存されたイルティッシュ号の遺品にみな感じ入っていました。100年以上前の出来事が今に至るまで語り継がれて毎年ロシア祭が開かれ、慰霊碑もきれいに手入れされていることに感銘を受けました。

    石見神楽鑑賞

    有福温泉の神楽殿で夜神楽を鑑賞し、日本の伝統文化に触れることができました。

    由志園(牡丹庭園)

    島根県の県花でもある牡丹の花咲く庭園として有名。年間来場者約30万人。雪景色とあいまって、藁囲いされて健気に咲く寒牡丹が可憐でした。

    溝口善兵衛島根県知事表敬訪問
    島根県議会議員との
    意見交換

    貿易高を上げるための課題として、知事からは金属加工品、食品、乳製品など輸出品目を増やす工夫が必要であり、石炭の輸入も将来性があるというお話しがありました。ロシア側からは、海外投資家にとっての環境は整っているので、医療、農業分野で高度技術を有する企業を歓迎したいという発言もありました。
    県議会議員の方々との間では、人口の流出、少子化問題、高齢化の問題などについて意見交換が行われ、立法機関と行政機関の関係や観光誘致にも関心が寄せられました。

    テレビのCMで「ベタ踏み坂」として紹介された松江市と鳥取県境港市を結ぶ江島大橋(全長約1446メートル、高さ約44メートル。5000トン級の船舶が橋下を通航できる。松江市側からの勾配は6.1%)を通過して鳥取県へ。


    境港国際旅客ターミナルでDBSクルーズフェリーの利用状況についてお話を伺いました。

    鳥取大学医学部附属病院
    放射線部、医療福祉支援センター、低侵襲外科センターの手術室などを視察しました。日本語がわかるロシア人スタッフとロシア語のわかる日本人職員が常勤しており、人道的観点からロシアの患者の受け入れができます。手術室では手術支援ロボット「ダヴィンチ」に質問が集中しました。極東連邦大学医療センターにあるダヴィンチを操作する専門家の研修に関心が寄せられました。
    陶芸体験
    法勝寺焼皆生窯の安藤釉三氏の指導で陶芸体験をしました。皆生の砂や日野川河口の砂鉄を粘土や釉薬の中に混ぜるなど新しい技法を取り入れた焼物で、初めは見るだけでいいと言っていた団員も次第に興に入り、最後は真剣でした。安藤氏は3月にウラジオストクでも陶芸指導をされました。
    倉吉絣体験

    伯耆しあわせの郷で倉吉絣(くらよしかすり)の織物体験や染め物体験をしました。染料の青(藍)・赤(茜)、黄(キハダ)の染料のうち、キハダはウラジオで購入した樹皮から作ったとのこと。美しい色合いのハンカチに染め上がりました。



    平井伸治鳥取県知事表敬訪問
    鳥取県議会議員との
    意見交換

    知事からは、進展がみられる日露の関係の中で鳥取県と沿海地方の関係を深めていきたいという挨拶があり、ロシア側団長からも、今回参加した若手議員たちが今後も沿海地方と鳥取県の地域レベルの協力関係に貢献できるよう、両国の首脳が友好関係を強化してくれることを願う旨の挨拶がありました。農業分野や医療分野の関係強化、ロシアへのビジネス投資への期待など意見が交わされました。

    議員活動で多忙なため、海外出張の機会はほとんどないという皆さんでしたが、今回の交流プログラムの成果を地元で活かすべく、積極的に取り組んでいる姿がとても印象的でした。

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