-訪露プログラム-
-Programs of Visiting Russia-

日露修好150周年回航事業


趣旨

2005年は日魯通好条約が調印され、日本とロシアの間に公式な関係が樹立されてから150周年という歴史的に重要な節目の年にあたります。日露青年交流委員会は、この150周年を記念し、日露関係の将来を担う150名の日露の青年を船に乗せ、日露ゆかりの地を訪問しながら相互理解を深める回航事業を実施しました。この事業には、日本側からは、ロシアを学ぶ学生、伝統文化に携わる学生・青年、日露ゆかりの地の関係者他が、ロシア側からは、日本を学ぶ学生、極東地方の文化芸能関係者、青年政策関係者、若手ジャーナリスト他が参加しました。

回航ルートの概略地図

航路(クリックして拡大)

日程(写真はクリックすると拡大できます。)

6月24日 富山県伏木港出港。日本人参加者はルーシ号でウラジオストクに向け出港しました。

6月25日 日本人参加者向けに外務省ロシア交流室内田室長よりセミナー「日露関係、ウラジオストクについて」が行われました。

6月26日 ウラジオストク入港
日本人参加者はウラジオストク到着後、日本人墓地訪問、アルセーニエフ博物館見学の後、鷹巣展望台を経て、結団式の行われる在ウラジオストク総領事公邸へ。ここで、ロシア人参加者と対面しました。
  
    6月27日

    参加者代表が沿海地方行政府ゴルチャコフ副知事を表敬した後、極東総合大学講堂で日露学生会議、文化交流会を行い、その後、ルーシ号でウラジオストクを出港しました。

日露学生会議「日露交流150年、将来への提言」
会議参加者のスピーチはこちら☟をご覧ください。
日本側 3名
    福田祥(東京外国語大学)【スピーチ】  
      鈴木崇弘(山梨学院大学大学院)【スピーチ】       
        日下直子(東京外国語大学)【スピーチ】

        ロシア側 4名   
          マリア・マリツェヴァ(イルクーツク国立言語大学)       
            ナターリア・キム(サハリン総合国立大学)     
              ゾーヤ・ヴェルジュビツカヤ(サンクトペテルブルク国立大学)【スピーチ】       
                ナジェジュダ・コヴリジュヌィフ(極東国立総合大学)【スピーチ】
                  
                6月28日

                ウラジオストク-函館間の船上では、北海道上磯高等学校教諭岸甫一先生によるセミナー「函館に関わる日露交流史」が行われました。また、日本文化紹介プログラムで茶道、能、津軽三味線、書道、剣道、折り紙、着物着付けが披露され、体験コーナーも設けられました。

                  セミナーの内容はこちらをご覧ください。「函館に関わる日露交流史」(資料)




                  6月29日  函館入港

                  船内での歓迎セレモニーの後、学生参加者は極東総合大学函館校の学生たちの案内で市内を散策し、旧ロシア領事館、ハリストス正教会、北方民族資料館等を見学しました。青年参加者代表は井上函館市長を表敬し、夜は函館の市民を招いて船上レセプションを行い、ロシア人参加者が室内楽・民族音楽・舞踊を披露するとともに、函館ラ・サール高校の生徒によるジャズ演奏が行われました。


                  6月30日

                  翌日は市内ロシア人墓地でハリストス正教会馬場長司祭による慰霊祭を行った後、函館山、五稜郭などを見学、夕方、巴太鼓の見送りを受けて、函館を出港しました。


                  7月1日

                  函館港から清水港までの船上では、下田から参加していただいた杉坂太郎先生によるセミナー「下田に関わる日露交流史」が行われました。また、日露文化紹介プログラムで日本人学生によるロシア語劇、ロシア人参加者による室内楽、民族音楽アンサンブル、舞踊が披露されました。

                    セミナーの内容はこちらをご覧ください。下田に関わる日露交流史(資料)


                  7月2日  清水入港

                  清水港からTSL高速フェリー「希望」で下田港へ移動しました。石井下田市長、可愛らしい園児の出迎えを受けた後、歓迎セレモニーで日露学生による「将来への提言」が発表されました。その後、玉泉寺でロシア人水兵慰霊祭が行われ、参加者一人一人が墓前に献花しました。下田では日本旅館に宿泊、日本式の生活を体験しました。夜は下田の市民を招いてレセプションを行い、日露双方の伝統音楽や舞踊を披露し、最後に全員が「島唄」を大合唱しました。


                  7月3日

                  最終日は地元ボランティアガイドの方々の案内で日魯通好条約締結の場となった長楽寺や下田開国博物館を訪れて150年前の日露交流に想いをはせるとともに、下田海中水族館を見学しました。下田港では、ここで解散する日本人参加者と別れを惜しみ、ロシア人参加者はTSL高速フェリーにて清水港に戻りました。



                  下田における日露学生による「将来への提言」

                  ウラジオストクにおける学生会議での議論の後も、学生たちは船上や寄港地で討論を続け、最終寄港地である下田において、今後の日露交流に対する学生からの提言が下記のような形でまとめられました。

                  将来への提言
                  ~日露修好150周年回航事業より~

                  私たちはこの回航事業に参加させていただき、とても重要なことに気付きました。ひとつの世界で生きる私たちは、他の国と関わる事なしに生きていくことはできません。中でも隣国とは、より友好的に協力しあうことが必要です。そして日本とロシアが今以上に様々な問題に協力して取り組むことで、日露の国民だけでなく、世界の人々にとってもいい影響を与えてくれると思います。
                  私たちは日本とロシアの関係をさらに発展させる意義をここに確認し、回航事業の成果として、三つの決意を述べたいと思います。

                  まず一つ目に、この貴重な機会を将来へつなげるため、私たちの交流を今後も継続します。例としてホームステイ・ビデオ会議・同窓会の開催を約束します。
                  二つ目に、互いの国に対して興味をもつ人を増やすため、私たちのオリジナル・ウェブサイトを立ち上げます。これは日本人とロシア人の共同運営によるものであり、今までにあったどの日露関係のサイトとも違う、誰にとっても楽しめるものにしていきたいと考えています。
                  そして最後に、北方領土問題の理解を深めるため、この問題に関する共通認識を見出すことを目指します。それはこの回航事業で、日本とロシアの学生の間に認識の違いがあることを知ったためです。
                  今回の回航事業に参加した私たちは、ひとりひとりが日露関係をリードする人材となることを、今日ここ下田において誓います。

                  最後になりましたが、この場をお借りして、このようなすばらしい機会を与えてくださった関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

                  平成17年7月2日
                  下田にて


                  Выступление представителей молодежи (Симода, 2 июля 2005 г.)

                  Нам была оказана высокая честь участвовать в этом круизе, благодаря чему мы, молодые люди Японии и России, получили уникальную возможность узнать много нового об отношениях между двумя странами. В результате общения нам удалось достичь общей оценки того, как молодежь может способствовать более активному развитию связей между нашими странами. Наиболее важными на наш взгляд являются три следующих аспекта.

                  Во-первых, мы постараемся и в будущем поддерживать дружеские отношения, которые сложились за время этого путешествия. Мы намереваемся подготовить силами молодежи различные мероприятия, такие как организация видеоконференций и встреч участников круиза. Молодые россияне и японцы хотели бы также видеть новых друзей у себя в гостях.
                  Во-вторых, для того, чтобы поддерживать взаимный интерес и углубить знания о наших странах, у нас возникла идея создать Интернет-сайт, посвященный молодежному видению российско-японских отношений, и разместить на данном сайте информацию об этом круизе. Кроме того, было бы, наверное, полезно познакомить молодежь с тем, что мы узнали о сотрудничестве наших стран, в частности, через создание информационных клубов.
                  В-третьих, мы осознали насколько важно стремиться к достижению понимания друг друга, даже в отношении темы о так называемых «северных территориях». В ходе дискуссии выяснилось, что здесь в восприятии у молодёжи наших стран существуют значительные различия, которые не должны мешать достижению взаимопонимания.
                  Мы, молодые участники из двух стран, сегодня здесь в городе Симода, даём торжественное обещание сделать все от нас зависящее, с тем, чтобы реализовать намеченное.

                  В заключение, мы от всего сердца благодарим организаторов этого путешествия на «Корабле Дружбы».


                  参加者の声(【印象記】をクリックすると印象記をご覧いただけます。)

                  (1)日露学生:
                    オレーシャ・セロヴァ(極東国立総合大学)【印象記】
                    ミハイル・コロステリョフ(ウラジオストク国立経済サービス大学舞踏団)【印象記】
                    ゾーヤ・ヴェルジュビツカヤ(サンクトペテルブルク国立大学)【印象記】
                    マリア・マリツェヴァ(イルクーツク国立言語大学)【印象記】

                  (2)日露青年(ゆかりの地):
                    リンマ・レミシェフスカヤ(国立現代芸術センター・サンクトペテルブルク支部)【印象記】
                    ユーリー・エフテホフ(討論クラブ「若き政治家」)【印象記】
                    ヴラジスラフ・フロロフ(サハリン州青少年政策局)【印象記】

                  (3)文化関係者:
                    タチアナ・ツァリュク(アルセニエフ市音楽学校民族音楽アンサンブル)【印象記】


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