-ロシアの教室から-

神戸市外国語大学×クバン国立大学 オンライン学生交流会(クバン国立大学 塚原 彩佳教師)

 クバン国立大学は2015年に神戸市外国語大学と交換留学協定を結んで以来、ほぼ毎年の交換留学生の送り出し・受け入れを主軸とする
人的交流事業を展開してきましたが、2020年度については新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、留学も含め対面での交流事業は
全て中止となってしまいました。 「いつか対面での交流が再開した時のために、日露間の青年交流の枠組みで今できることはどんなことか」と考え、神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科の学科代表兼国際交流センター長 金子教授、国際交流センター交換留学受入担当 顧様、モスクワ国立大学からの交換教員 ポドリスカヤ・ワレリア先生にご相談し、「オンライン学生交流会」の実施が決定しました。

 今回は2021年7月14日に行われた第1回の交流会の模様をご紹介します。




 第1回目の交流会には、神戸市外国語大学から15名、クバン国立大学から11名の学生が参加しました。
交流会全体の流れは以下の通りです。

● 開会のあいさつ クバン国立大学・塚原より(5分間)
● アイスブレイク(20分間)
● 学生によるプレゼンテーション発表(45分間)
● 休憩(10分間)
● 事前回収した質問に対する発表(15分間)
● 次回へ向けたディスカッション(20分間)
● 閉会のあいさつ 神戸市外国語大学・金子先生より(5分間)


参加者の様子

 今回は交換留学生として渡航予定のある学生さんを中心に両大学の学生がそれぞれの大学と大学の所在地域の理解を深めることを最大の目的にしました。そこで、両校の学生による大学紹介と地域紹介のプレゼンテーション発表を行いました。日本人大学生はロシア語で、ロシア人学生は日本語で発表資料と原稿を事前に準備し、発表しました。発表後の質疑応答ではざっくばらんな質問が出されました。プレゼンターが答えに窮することがあっても上級生が答えたりすることで話の輪が広がり、和気あいあいとした雰囲気になりました。


参加した学生の声

●最近は自宅から一人でオンライン授業を受けることが多いですが、この交流会を通して離れた地で日本語を勉強している仲間、また共にロシア語を勉強している仲間と繋がることができたことを嬉しく思います。クバン国立大学の学生は明るくて積極的で、またクラスノダールはとても魅力的な街でした。いつか訪ねることができる日を楽しみにしています。(神戸市外国語大学ロシア学科4回生 伊藤彩夏さん)

●7月14日は神戸市外国語大学とクバン国立大学の交流授業に参加しました。以前、日本語学習者が日本人と話せる会に参加したことがあります。でも、私の日本語の語彙はそれほど多くないので、会話が面白くできるかどうかいつも心配でした。
 しかし、この7月14日の交流授業には珍しい点がありました。ロシア人の学生が日本語で話している間に、日本人の学生がロシア語で話しているんです。ロシア人と日本人が一緒に練習できるんじゃないかと思って、緊張よりワクワクして楽しみにしていました!
 事前にみんなでかわいいプロフィールシートを作ったり、話せるテーマを考えたりして準備しました。7月14日は、最初に全員がブレイクアウトルームでいろいろなルームに分かれ、お互いを知り合うことができました。このアイスブレイクが一番楽しかったと思います!私は日本人の1年生と4年生とルームに入りました。1年生はロシア語を1年だけ勉強していましたが、ロシア語でたくさんのことを話しました!三人で楽しい会話をしたのに、その時間すらも足りないと思いました。
 また、各大学の学生たちは、自分の町と大学を紹介したり、面白い場所のプレゼンテーションを見せたりしました。クバン国立大学の中には神戸に留学したい日本語学習者がいるので、神戸に勉強している日本人からたくさんの有益な情報を得ることができました。
 最後に、次回の交流授業のテーマをみんなで考えました。チャンスがあったら、またぜひ参加したいです。一緒に話す練習をすることは言語を勉強しながら、新しい友達を作るのにとてもいい方法だと思います!
(クバン国立大学歴史・社会・国際関係学部2年 Анна Спесивая(アンナ・スぺシーワヤ)さん)


総括

 本交流会は日本語とロシア語のランゲージエクスチェンジができるよう両校の教職員で綿密な打ち合わせを重ね、学生の活躍に願いを込めた実施となりました。
 初回ということで日露両言語での司会を行うことで1年生からでも参加しやすいように工夫しました。そして、当日その場で自由な会話を楽しむこともさることながら、事前に準備した内容を発表する時間を増やすことで過度に緊張することなく「相手に通じた!」という感覚を持ってもらえるようにしました。

 今回ご賛同・ご協力くださいました両大学の教職員の方々へ厚くお礼申し上げます。9月から始まる2021-22年度も是非コラボレーション企画ができればと思います。

All right reserved, Copyright(C)
 Japan Russia youth Exchange Center 2000-.